矯正治療はどのように進めるのですか?(初診から保定まで)
1.初診 2.検査 3.診断、治療プランのご提案 4.治療 5.保定
というのがだいたいの流れになります。
初診/検査
はじめて来院されたときに行なうのが、問診と検査です。
検査にはだいたい30分ほどかかると思ってください。
検査では、お子様の歯形をとり、口(歯)の写真、顔の写真を撮影します。
次にレントゲン撮影を行ないます。
このとき撮るのは、歯の全体の状態がわかる「パノラマレントゲン写真」です。
永久歯の本数は揃っているか、永久歯が生えるためのスペースは十分か、位置は正しいかなどをスクリーニングしていきます。
また、顔のレントゲン写真も撮ります。
骨格や、歯の傾きを見るためです(計測専門のソフトウエアを使って計測や分析をします)。
これらに加え、親御さんの歯や骨格の状態を見せていただくこともあります。
骨格は両親から遺伝するものなので、親御さんの状態は大変参考になるのです。
以上が基本的な検査ですが、この他にさらに必要と判断されるお子様には、あごの関節のレントゲン撮影や、あごの運動の様子をチェックすることもあります。
また、CTなどのより専門的な検査が必要と思われるお子様には、連携している大学病院に検査や治療をお願いする場合もあります。
診断/治療プランのご提案
診断をお伝えするために、検査の約1カ月後にまた来院していただきます。
治療プランも複数ご用意し、全員の話し合いの上で選択していただきます。
お子様の性格や生活様式、習慣その他も考慮して、一番いい治療プランを患者様とともに探っていきます。
治療に要する期間や、通院の頻度、予算などもこのときにご提示します。
当クリニックでは、基本的にお子様の矯正治療の料金は低めに設定し、簡単で取り外し式装置の提案をしています。
なぜならお子様の矯正治療は、子ども時代だけで完結しないことが多いからです。
先々のための余裕を残していただく意味でも、この時期に高額をかける治療は行なわないようにしています。
また、お子様の場合、年齢や症状によっては即治療とはならないこともあります。
たとえば手術で骨格を改善するようなことは、成長途上のお子様にはできません。
骨格はどんどん変わっていくので、成長が止まるまで待つ必要があります。
治療と保定
いよいよ治療に入ります。
矯正治療では歯を動かしていきますから、治療期間は長くかかるのが普通と考え、親子ともに気長にかまえてください。
小児矯正治療は「Ⅰ期治療」と、そのあとに続く永久歯での「Ⅱ期治療」に分けられます。
「Ⅱ期治療」では大人の方の矯正治療と同じようにワイヤーの装置を使用したりしますが、「Ⅰ期治療」は単純で、取り外し式装置がメインなので、ストレスもそれほどではないと思われます。
通院のペースは、基本的に月に1回です。
矯正装置をつけていますと、虫歯や歯周病といった問題も起こりやすいので、日々のブラッシングのやり方をていねいにご指導させていただきます。
「Ⅱ期治療」では、矯正期間のあとに「保定期間」が必要になります。
一定期間、よくなった状態を安定させるための装置(保定装置、主に取り外しの装置)を歯につけて過ごすのです。
面倒に感じるかもしれませんが、これをしないと、歯というのは徐々に元の状態に戻っていってしまいます。
いわゆる「後戻り」です。
保定には矯正以上の期間がかかるものの、矯正期間よりは軽いストレスで済むはずです。
装置を自由に取り外すことができますし、必要な装着時間や、通院のペースをどんどん減らしていけるからです。長ければ長いほど良いという考え方もできます。